アイテムにお名前やメッセージを入れるのは様々な方法があります。
その中でも私たちが得意とするのが、ボトルへの名入れです。
お客様とお電話等でお話していると、「え!これって彫刻してるんですか?!」と
いう驚きのお声をいただく事も多い名入れボトル。
実際に手にとっていただくと「おー!凹凸がある!」と喜んでいただけるのですが、
「…これってもしや手で全部彫ってるんですか?」というご質問をうけることも。
![](https://cerisier-plus.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/10/写真-2024-09-25-15-14-19-scaled.jpg)
実はこれらの名入れボトル、全て「砂」で彫刻しています。
「サンドブラスト」という技法で聞いたことのある方も多いかと思いますが
高圧の砂(研磨剤)をガラスの表面に吹き当てて、
デザインにあわせて圧の調整をかけながら丁寧に彫刻をしていきます。
現在私たちの会社で利用している機械は2つ。
1つは、高圧の砂(研磨剤)を吹き付けてガラス製品を削る「サンドブラスト機」
もうひとつは、レーザーをあてて、アクリル、木、革を彫刻したり切断できる
「CO2レーザー機」です。
サンドブラストはセリジエプラスの名入れ事業の核となる大切な加工方法です。
2014年頃、まだ私自身がサンドブラストの存在を知らないときに、
お酒のボトルに彫刻をしているアーティストの作品を見る機会がありました。
「すごい!こんなに綺麗なボトルがつくれるんだ!」衝撃を受けたのを覚えています。
その衝撃を受けたアーティストのボトルは IAMARTの三島大輔さんのデザインしたボトルでした。
![](https://cerisier-plus.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/10/message_bottole.jpg)
今はご縁が繋がり、三島さんデザインの作品を
彫刻させていただく機会もいただくようになりましたが、
その当時三島さんは私にとっては雲の上の存在。
少しでも三島さんのボトルのレベルに近づきたくて、彫刻の方法を調べました。
これってそもそもどうやったらできるの?
なんていう機械なの?
どうやったら色をつけた彫刻ができるの?
あれこれ調べてようやくたどり着いた「サンドブラスト」
早速中古のサンドブラスト機を購入して、自分で見よう見真似でデザインを出してみたけれど、
まったく思ったようにはいかず。
イラストレーターの使い方もわからず四角形すら描けませんでした。
今思えば「なんでもっと人に頼らなかったんだろう」って思いますが…
その頃はそんなことも考えられませんでした。
サンドブラストには加工に適したデザインがあり、
デザインの線の太さや模様によっては全く綺麗に彫れないことも多々あります。
頭で思い描いている理想の商品になかなか近づかず、
完成作品をみて「思ってたのと全然違う!」とがっかりする、その繰り返し。
数えきれない失敗を繰り返してきました。
始めたころはデザインも「誰が何のためにどんな方に渡すんだろう」と想像しきれておらず
「これは何…?」みたいな謎の作品が出来上がったこともありました。
![](https://cerisier-plus.com/apps/note/wp-content/uploads/2024/10/一番はじめのデザイン.jpg)
時間はかかりましたが、お客様からの「もっとこうしてほしい」や「ここが物足りない」など
様々なお声をききながら改良を重ねていきました。
何年かたち、かつて自分が見て感動した商品をこの手で作れている喜び、
日々誠実な商品づくりを続けることの大切さを身に染みて実感するようになりました。
セリジエプラスの商品を通して、私たちの役割は人と人の想いを繋げる糸となること、
そんなものづくりに価値を感じてくださる方が「セリジエプラスでお願いしたい」と託してくださるのではないか、と思っています。
名入れ商品をつくる工程
①デザインを出す過程はイラストレーターで。
サンドブラストは砂で彫刻するため色認識がありません。
黒と白で模様や絵柄をつくり、彫刻するメッセージやお名前を配置し、
お客様へご提案させていただきます。
②デザインが確定したら専用フィルムに転写します。
その転写したフィルムを専用糊のついた土台に貼っていきます。
まっすぐ丁寧に、毎回ここは緊張感が走ります。
③彫刻する部分以外は砂があたると全て削れてしまうため、防護するために養生をします。
少しの隙間もないように慎重にぐるぐる巻きにしていきます。
④いざサンドブラスト機へ入れて彫刻作業へ。
細かい線や模様は浅めに、太い線は深めに抑揚をつけながら砂をふきあてていきます。
ガラスが割れないように、ムラがでないように、丁寧にひとつひとつ彫っていきます。
⑤彫刻が終わったら彩色に入ります。
お客様のご希望のお色を均等に吹き付けて乾燥を待ちます。
⑥しっかり乾燥したのを確認してから慎重に、養生とフィルムを剥がしていきます。
他の場所が削れていないかなどドキドキする瞬間です。
⑦そして洗浄。
しっかり洗って綺麗に彫刻できているかを確認します。
クリスタルストーン装飾を施す商品も多いので、その場合は専用のボンドを使い
手作業でストーンを接着していきます。
⑧いざ完成!ラッピング前の完成写真を撮ってラッピングをしてお客様のもとへいざ発送!
配送業者さんに託します!
私たち自身が大切な人に贈りたい、と思えるようなモノをつくりたい、そう思いながら日々商品づくりをしています。